入浴からくる不養生
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世界中の民族からみて、日本人はお風呂を最も好む人種のようですが、特に東京をはじめとする都会人は毎日入浴する人がほとんどのように思われます。 たしかにお風呂に入ることは、気持ちがいいことです。それは、身体が暖まることと、身体の汚れがとれることが、大きな理由でしょう。しかし、この入浴こそが、日常生活の中で病気を作り出す大きな落とし穴とも言えます。 人間が病気になる一番の原因は『疲労』することです。 では、どういう点が疲労につながるのでしょうか? |
2.入浴の時間帯 |
3.入浴(お風呂)の温度 |
4.朝の洗髪(朝シャン) |
5.入浴の仕方 |
6.入浴を控えるべき時 |
7.入浴とアトピー |
【1.入浴の時間数】 |
皆さんは何分間お風呂に入っているでしょうか。 何故このように長時間入っているのか聞いてみますと、「身体が冷えやすく長くお風呂に浸かっていると、暖まるから」というのが理由のようです。 人間の皮膚表面の体温は約36度です。身体の内側の温度は約37度です。 私の個人的な感想では、他の要素もからみますが、30分以上湯舟に浸かった人は、何らかの不調を訴えやすくなる人が多いようです。 |
【2.入浴の時間帯】 |
お風呂に入る様になったのは、安土桃山時代あたりのようですが、電気の無かった昔は、日が暮れる前に入っていた人が多かったことでしょう。 よく身体が冷たいから(寒がりだから)お風呂に入ってすぐお布団をかぶるという人がいますが、そういう人は、身体の“冷え”を増長させます。お風呂に入ったあとは、身体は暖まっていますし、心臓も活発に働いており、皮膚も開いています。 私の個人的な感想では、 では、何年ぐらいそういう生活を続けるとそうなるのでしょうか。 さて、夜の入浴の話ばかり進めてきましたが、では朝の入浴はどうでしょうか? 基本的に朝の入浴は良くないと思います。 お風呂に入るのは、身体の汚れをとり、その後ゆっくりできる時間帯が一番理想です。 |
【3.入浴(お風呂)の温度】 |
熱海の温泉は、何にでも効くなんて事を聞いたことはありませんか? 40度後半の温泉源はかなりありますが、一般的に熱いお風呂は身体によくないようです。 体温は約36度、身体の中の温度は約37度です。 お風呂あがりに水をかけると皮膚はしまり、体温の維持には最適です。 冷たい水だと心臓によくありませんが、30度ぐらいだとさほど問題はないと思います。慣れてくるともっと冷たくても大丈夫でしょう。 さて、よく熱い風呂でないと入った気がしないという人がいますが、どうして熱いのを好むようになったか話を遡ってみると、やはり身体の冷えやすいのが始まりのようです。 |
【4.朝の洗髪(朝シャン)】 |
若い女性は、朝髪の毛を洗って出掛ける人が多いようです。 毛のあるところは、大事なところを守る意味もあるのか、頭には多いですよね。 |
【5.入浴の仕方】 |
昔は、草履をはいて旅をしていましたから、旅籠(はたご)につくと足を洗ってもらったものです。時代劇によく出てくるシーンですが、これは足の疲れをとるのに一役買っています。 「足浴」は、身体の調子が悪い時には最適です。 同じ様な方法に「腰湯」というのがあります。 |
【6.入浴を控えるべき時】 |
お風呂に入る事は、体力を消耗する事ですから、体力の無いときに無理して入ることは危険です。 “腰が痛くなったので、風呂に入って暖まったら良くなると思って…”といって入浴し、翌日動けなくなったという話を聞きませんか? ちなみに身体をふくときは、お湯よりもアルコールを暖めたものを使った方がいいようです。 もう一つ付け加えると、身体が極端に興奮している時、つまり飲酒中は勿論ですが、走ってきた直後とか、怒っている時とかは、入浴しない方がよいと思います。 |
【7.入浴とアトピー】 |
アトピー性皮膚炎のお子さんの方は、お風呂に入れるとかゆがりませんか? アトピー性皮膚炎と診断されたお子さんの皮膚は、カサカサしていたり、ジクジクしていたり、中には汁が出てくる場合があります。皮膚は外からの刺激(外敵)から守る働きをしています。正常な皮膚の上におにぎりぐらいの細菌を乗せても感染することはありません。 身体が暖まると、かゆくなるのは、内臓の働きが弱い事を意味しています。 赤ん坊の体温は、やや高めで36度から4〜5分ぐらいは、いつもありますが、お風呂の温度は、それより1度ぐらい高めでいいのです。 入浴後、皮膚がジクジクしているお子さんは、皮膚表面 を洗浄した方がいいでしょう。いくらお風呂場や湯舟をきれいにしていても、雑菌はどこにでもいるからです。 |