医療事故「隠すな」 
   国立大病院部会が提言 「すぐ警察に連絡を」

                  2000.5.17(水)新聞より引用

 「人はミスを犯す」という前提で医療事故の予防策を進め、患者や家族が求めれば、カルテを見せるべきだとする提言を、事故防止策などを採る国立大学医学部付属病院院長会議の作業部会が、十六日、発表した。これは医療事故の多発を受けてまとめた中間報告で、事故時にh速やかに警察署へ連絡し、重大事故なら公表することを求めている。

中間報告は、国立大学病院は事故防止のために緊急総点検をし、問題点を洗い出すべきだとした。国の機関として「社会に対する説明責任を果 たさなければならない」と強調している。
  日常の診療で医療スタッフがヒヤリとしたり、ハッとしたりする経験(ニアミス)にふれて、「医療事故として現れるのは氷山の一角で、背後には多くのニアミスが隠れている」と指摘。事故だけでなくニアミス情報も集め、事故防止に役立てる「病内報告制度」を徹底するよう提言した。
  具体的には病院ごとに事故防止委員会をつくり、院内の部門ごとに事故防止の中心となる「リスクマネージャー」を置くよう求めている。

 事故発生時に透明性の高い対応をとるように促し、刑事責任を問われる可能性がある時は「判断に迷うような場合であっても、速やかに警察署に連絡することが望ましい」とした。患者や家族に説明する際は、ほかの医療従事者も同席させて複数で行い、説明内容を診療記録に残すことが必要だ指摘した。患者や家族は「隠し立てのない事実の説明と率直な謝罪」などを求めているとして、要求があればカルテも開示すべきだとしている。

作業部会は、国立大学病院の医師や弁護士など十七人でつくり、昨年十一月に発足した。
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