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ノーベル医学生理学賞 神経研究の欧米3氏に
                2000.10.10(火)朝日新聞より引用

 スウェーデンのカロリンスカ医科大学は9日、今年のノーベル医学・生理学賞を、スウェーデンのイエーテボリ大学のアービド・カールソン名誉教授(77)、米ロックフェラー大学のポール.グリーンガード教授(74)、米コロンビア大学のエリック・カンデル教授(70)の3氏に贈る、と発表した。

 神経にある物質が情報伝達に重要な役割を果たしていることを解明するなど「神経系情報伝達の研究」が評価された。成果 はパーキンソン病の治療にもつながっている。

 賞金は3氏合わせて900万クローネ(約1億円)。
 授賞式は、12月10日、ストックホルムで開かれる。ノーベル賞はダイナマイトを発明したノーベルの遺言で、1901年に始まり、今年が100年目。

 カールソン氏が明らかにしたのは、ドーパミンという物質の大切さだ。
 運動障害等につながるパーキンソン病は、脳の特定の場所でドーパミンが不足して起きる。同氏は動物実験で、ドーパミンのもとになるLドーパという物質を与えると運動障害が消えることも証明した。今では、パーキンソン病の治療にLドーパが使われている。

 グリーンガード氏は、神経細胞で、ドーパミンや他の神経伝達物質により、どのように情報が伝達されているかを解明した。カンデル氏は、アメフラシを使って実験。短期の記憶と長期の記憶は、情報伝達の経路が違うことを示した。
 これは学習や記憶の仕組みを解き明かす研究に発展している。
 カールソン氏は94年、日本国際賞(国際科学技術財団)を受けている。

【コメント】
 人間の脳は、未だ謎に包まれています。脳の生理が全て解明されることが、医学の到達点だと私は考えています。
 今回の受賞は、長年の研究への評価だと思われます。
今後の脳の解明が待たれるところです。

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