皆様に東洋医学をご紹介させていただきたいと思います。 おそらく明治以降生活様式や習慣が西洋化し、物質文明に慣れた人には、これから話す内容は、本当かな?ということが多いと思います。
だから言葉を難しく考えないで下さい。 まだまだわからない事も多く、どうしてそうなるのかもわからないだらけですが、わかること、できることから皆さんも始めてみませんか? 明日からきっと今以上に身体の調子がよくなり、生きる元気が湧いてきますよ。 |
人間は何年前から、この地球上にいるんでしょうね。 |
昔の人は、上手いことをいいますよね。 人が一緒に暮らすということは、大変なことですが、そこには絶対的に必要な物があります。 それは、【言葉(ことば)】です。お互いに共通に理解するためには、名称(符号)が必要です。 古代の人はある一定の法則のもとに次々と符号を付けていったのだろう、と考えるのは、私だけではないと思います。 では、目に見えない物は、どうやって決めたんでしょうね。 人間は、毎日暮らしているうちに変化しない物(事)(目に見える物)と変化する物(事)が、だんだんわかってきたのだと思います。 その中は、マグマのように燃えさかり常にかわっているんです。 だから東洋医学はいつも身体全体を診(み)るんです。 結果的に細胞のことは考えなくてはいけないかもしれませんが、まず身体全体を診ないと分からないことって多いと思うんですよ。 |
だから、まず人間本人と、その人間を取り巻いている全部のことを考え、それから病気を診るんです。 東洋医学って人間の心と身体を考えたスケールの大きい学問だって思いませんか? メニューへ |
“易〜えき〜?”駅??液??? 多くの皆さんは易というと“占い”新宿の駅の雑踏の中、夜、薄暗いところにテーブルをおいて、机の上にあやしげな光をかもしだしている光景を思い出すことでしょう。 そう、易は占いです。でも、易というのは、学問なんです。 易は、地球上にある万物全てのうつろいを文字にあらわした最初の学問なんです。 本当に〜?と思われるでしょうね。 正確にいうと易とは、陰 という符号と陽(一)という符号を組み合わせただけのものです。 例えば、 は陽(一)が三つ重なった物で、乾{けん}(天)という意味を表します。
は、陰 が三つ重なった物で坤{こん}(地)という意味を表します。 伏羲が書いた文章はあまりに簡潔明瞭だったので、後々の人がだんだん解らない人が多くなったとみえて、それに説明を加える人が出てきたんです。 当たるも八卦(はっけ)当たらぬも八卦とよく言いますよね。八卦“はっけ”とは、本当は“はっか”と言うんです。 この一つづつを掛(か)と言うんです。 言葉や学問は、時代と共に変わります。
たとえば「カクテル」。 時代と共に廃れていく物が多い中で生き残っている東洋医学、そして、易ってすごいなぁ〜って思っています。
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月日がたち、あの論語で有名な孔子様も易を勉強しました。 孔子は70歳近くになって、はじめて易を読んだそうです。 糸でくくった本が三度もすり切れる程、勉強した孔子は、易に深く興味を持ち、「もっと若い時から勉強していたら…生涯悔いのないものになっていただろう…」という言葉を言われたそうです。 孔子曰く、「易は40歳になって、人生が一通り解ってから、勉強すると人生が開ける」と言っていたそうです。 な〜んか、勉強してみたいなんて思ったりした人もいませんか? @孔子が書きあらわした易の説明文は、「」と伝えられ、十篇に依って成立しているので別
名「十翼」と称されます。 |
易という字の意味はいろんな説があります。 |
易経は四書五経の中で一番と考えられており、どの時代の人も学問を志す人は、まず勉強していただろうと考えられるんです。 ※四書五経・・・儒学でたっとぶ四書は大学・中庸・論語・孟子の4冊の書物の事。五経は易経・詩経・書経・礼記(らいき)・春秋という5つの経典の事。 東洋医学を勉強する人、特にはり・きゅうをする人は、誰でも「黄帝内経」という本や「難経」という本を読んでみるんですが、とっても難しいんです。 例えば、 経に言う、東方実し、西方虚せば、南方瀉し、北方を補うとは、何の謂うぞや。 然り、金・木・水・火・土、当に更相(こもごも)平らべくし。
漢文が苦手な人は、見ただけで「あ〜わからん」になっちゃいますが、よ〜く漢字をもう一度見て下さい。 符号を付けるには、付けたときの時代背景があるんです。 おわかりになりました? だから、鍼灸師・東洋医学者は最終的には易経を読む事になっちゃうみたいなんです。 |
東洋医学とは、どこの国の医学なのでしょうか。 1972年に中国・上海第一医学院での、鍼麻酔の成功がアメリカにより、世界に報道されてから、東洋医学という言葉がチラホラ聞こえてきたような気がします。 実際1978年に世界で、はじめて設立された鍼灸専門の大学である、明治鍼灸短期大学(現明治鍼灸大学)の学生も当時は、“いわゆる東洋医学”と呼んでいました。 1980年代に入り、マスコミがよく報道するようになって、国民にも東洋医学という言葉が定着してきたように思われます。 東洋(医学)に対して、西洋(医学)という言葉が生まれたのかなぁって思っています。 その「中医学」という名称も「東洋医学」という言葉が、横行するようになってから変えられた気が、私はしているのですが、中国(民族)のプライドの高さなのかなぁ?と私は勝手に感じております。 それでは、東洋医学ってどこの国のどんな医学なんでしょうか。 |
中国伝統医学は、“はり・きゅう・湯液(漢方薬)”を主な医療としているようですが、最近東洋医学という言葉の使われ方をみると、気功や食養生活なども含めありとあらゆるところに使われている気がしませんか? エステ業界や飲料水など、実に幅広くなっています。 これは、日本という国が東洋だから受け入れられやすいんだと思っています。 東洋思想イコール中国思想が根底に文化として根付いているからではないでしょうか? 東洋医学ってどんな学問かということを考えるには、まず、中国思想、哲学を学ぶ必要性があることは、どうも避けて通 れないなぁ、と私は思っています。 中国思想 イコール 四書五経 イコール 易経 |
東洋医学は、命、相、卜、仙、医という学問(術)で成り立っているんです。 人間は、宇宙大地から命を授かると考えます。(1) 東洋医学は、人間の一生を考え、それぞれにおいて学問体系してきました。 東洋医学は、心と体の両方、人間の一生をトータルに把握する学問なのです。
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いままで聞いたこともないような言葉が並びましたね。 |
命学(めいがく)っていうと、んんん……?!!という感じですが、命(いのち)というと、あ〜なるほどって思うでしょう。 運命(うんめい)という言葉もきいたことがあるでしょう。
人間(生物)は、皆必ず死を迎えます。 この世に生まれた命は、どのように発生したのか。 私達がこの世に受けた生は命という旅、つまり運命という人生を歩むわけですが、この命は決められたものと変えられるものがあると考えました。決められたものは生年月日とか両親です。そして、命学では、そこに何か意味があり、また共通 点があるんだろうと考えました。 たとえば、私は4月生まれですが、4月に生まれた人は、皆春の「気」を受けて生まれたと考えます。では、「春」という言葉(符号)は、どんな意味を持っているのでしょう。 皆さんが思っている感覚とあまりかわらないと思います。 それらの1つ1つを学問的に体系化したのが命学です。 お話がちょっと難しくなったかも知れませんが、気学の「気」という言葉は、日常の生活の中でかなり使われています。「やる気」、「根気」、「元気」、「気が入っていない」、「あの人は私に気がある」等々、気という言葉は生活に根付いています。身体でいえば「気が重い」という言葉があります。精神的な悩みがあると身体は物凄く重く感じて、足取りも鉛の靴を履いたようになる経験を誰もがした事があると思います。
現代の科学(医学)では、これを証明する方法はありませんが、東洋医学では、説明・論理だて出来るのが面
白いなぁ、と私は思っております。 |
相学の相(そう)という言葉も皆さんは、お聞きになったことがあると思います。 東洋思想は、1つの出来事は連続性(アナログ的)であり、今の瞬間眼に見える物(デジタル的)は、その一通
過点にすぎないと考えます。ですから、過去・現在・未来を常に考えた理論構成と思考をするわけです。
手相も同じです。 悪い(良くない)相がどのようにして起きたのか、という事を考えられる(眼に見えない部分)という事は、それに対応した思想も生まれるからです。 東洋医学は、全人的・全人格的医療であると昨今言われるようになっておりますが、この辺に起因しているのではないかと私は考えております。
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ト学(ぼくがく)とは、易の事です。 ト(ぼく)とは、占の上の象意ですが、占(うらなう)とは、目の前にあらわれた現象・事象の意味を検討・検証・思考するという事です。 易は、占いだと思っている殆どの皆さんに、この思想、学問が中国人や日本人の思考の根本にあるんですよって、私は言いたかったんです。 |
仙学(せんがく)とは、仙術の事を指します。 仙人の仙(せん)というと、あ〜なるほど、と思うでしょう。 仙術とは、病気にならない丈夫な身体をつくりだす方法と考えて良いと思います。 |
東洋医学における医学とは、お話してきたように、命・相・ト・仙の各思想に基づき、身体に応用できるところを理論構築し、それに臨床経験を積み上げていったものをさします。 現代医学と比較してみると、とても長い時間をかけて作られて来たということがおわかりと思います。 |
since2000.4.01