健康研究サークル『オアシス』会報 |
オアシスだより 第48号 2012年12月 |
『オアシスだより』第48号発行にあたって 清野鍼灸整骨院 院長 健康研究サークル「オアシス」会長 清野充典
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目 次 |
連載 ■鍼灸治療の効果をご存知ですか■ 第1話 咳は悪者?(小児科編1) |
連載 ■鍼灸治療の効果をご存知ですか 老年医学編1■ 高齢者にみられる体の変化 |
短い秋が過ぎ、あっという間に冬になりました。毎年、気候の変化が激しくなっているように感じます。みなさん、体調はいかがでしょうか。 空気が冷たくなってくると、咳をする人が増えます。冷たい空気を吸うことにより、のどや気管の粘膜が刺激を受けて、反射的に咳が出てしまいます。咳が出ることは、悪いことだと思われがちですが、咳は気管内のゴミ(菌、ほこり、けむり等)を外に出すことが大きな目的です。つまり、むやみに咳を止めることは、ゴミを外に出せなくなるので、体に良くないわけです。子供はいろんなものに興味を持ちますので、きれいなものにも、汚いものにも接する機会が多いと思います。そこで、咳をすることにより、気管内に入った異物を外に出すわけです。 また、咳は体が極端に冷えてしまった時もたくさん出ます。体が大きい人は体温を維持しやすいですが、体の小さい人、特に子供は外気温にとても影響を受けます。冬になって、朝晩の気温が下がってきました。その時間帯に咳が出る方は、体温が維持できず、体が冷えているのかもしれません。 咳が必要以上に出てしまうと体は疲れて免疫力が落ちてしまいます。その結果、悪いウイルスや細菌が体内で増えてしまい、いわゆる風邪と呼ばれたり、感冒と呼ばれたりする状態になります。大人の場合は、体力がありますので、子供に比べて免疫力が極端に低下することは少ないと思います(不規則な日常生活を送っていたら別ですが・・・)が、子供の場合は体が小さいのと外界の異物に対して耐性が少ないので、一気に免疫力が低下してしまうことがあります。子供に咳が出始めたなと感じたら、周りの大人が子供をよく観察してください。一日中出ている咳か、限られた時間帯だけ出る咳か。動いたり走ったりして咳が出るか。甲高い咳音(犬の遠吠えのような咳)か。声がかすれているか。胸を痛がるか。などなど・・・。咳と言っても、色々な性質の咳があることに気付くと思います。
咳が続くと体力が低下して、いろいろな症状が出てきます。そんな時は、はり治療やきゅう治療をすることで、咳や免疫力の低下を防ぐことが可能です。また、治療直後より体がぽかぽかと温まります。頑固な咳も、長く続いている咳も治療ごとに徐々に減ってきます。子供に咳が出て悩んでいる方は、はり・きゅう治療をお試しください。もちろん大人でも、咳が出て困るなと感じている方は、はりきゅう治療をお勧めいたします。 |
1.誤嚥(ごえん)
食物を口から胃へと送り込む一連の運動、つまり、食べ物を飲み込んで胃へと送ることを、嚥下(えんげ)といいます。この運動が、何らかの原因で障害され、食物が食道へと行かず、気管に入ってしまう状態を、誤嚥(ごえん)といいます。 誤嚥により生じる問題は、食べる楽しみの喪失、肺炎などです。誤嚥を起こしやすい状態では、食事中に食物が気管に入り、むせることが多くなります。食事とは本来楽しいものですが、むせが多くなると、苦しみが続く事や周りに気遣うことにより、食事の楽しみが減ってしまいます。 誤嚥によって引き起こされる肺炎は、特に注意すべき疾患です。高齢者の死亡原因が上位に位置する肺炎は、誤嚥により発症する肺炎が少なくありません。反射が衰えることにより、むせる事が減少すると、唾液や食物と一緒に口の中の細菌を飲み込んでしまい、肺炎を発症することにつながります。 誤嚥を予防する方法として、嚥下体操があります。嚥下体操は、首肩周りにある筋肉の運動、顔にある筋肉の運動、舌を動かす筋肉運動が含まれております。食事前に行うことにより、誤嚥を予防する効果が期待できます。嚥下する力を効果的に向上することが最も有効な運動方法は、ヨーガです。ヨーガは、オアシスの体操教室で習得できます。
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