健康研究サークル『オアシス』会報 |
オアシスだより 第50号 2013年7月 |
『オアシスだより』第50号発行にあたって 清野鍼灸整骨院 院長 健康研究サークル「オアシス」会長 清野充典
|
目 次 |
連載 ■鍼灸治療の効果をご存知ですか 小児科編■ 鼻水 |
連載 ■鍼灸治療の効果をご存知ですか■ 痛みについて 7 |
鼻水は、なぜ出てくるのでしょうか。 鼻は、空気の通り道です。空気は、鼻のあなを通って肺へ取り込まれます。肺へ入った空気(酸素さんそ)は、血液の中に取り込まれます。今度は、血液の中から二酸化炭素(にさんかたんそ)が肺の中へ出され、鼻または口から吐き出されます。鼻は生きるために必要な酸素を体に取り込むための入り口であり、体の中から二酸化炭素を出す出口なのです。 鼻が出入り口ということは、いろいろなものが通ります。体に必要な酸素だけではなく、空気中に浮かんでいる塵(ちり)・ほこり・ウイルス・細菌(さいきん)なども出たり入ったりします。鼻は、酸素だけを選んで体に取り込むことはできませんが、鼻には空気中の塵(ちり)やほこりなどの異物(ゴミ)を取り除く働きがあります。一つは、鼻毛です。鼻毛が密集することで、空気中のゴミを取り除きます。もう一つは、鼻の内にある鼻粘膜(びねんまく)の細胞より粘液(ねんえき)を出して、鼻に入ったゴミをくるんで外へ出します。これが、鼻水です。鼻水は、鼻に入ってきた異物を外に出すために、鼻粘膜の細胞が出す分泌物です。ですから、空気中に塵やほこりが多くあるところでは、鼻水がたくさん出ます。鼻水を出すことで、体の中に異物が入らないように体を守っているのです。 鼻水が出ているときは、体の中から塵やほこりなどのゴミを一生懸命に外へ出しているので、鼻水をすすり上げずにかんで外へ出すことが大切です。空気中のほこりなどが鼻粘膜に触れると、すぐに鼻水が出ます。いつも鼻水を垂らしている子供さんがいると思います。鼻水をたらしている子供は、体が一生懸命にゴミを外へ出しているところですので、鼻水をすすり上げる前に、周りの人が鼻をかむようにうながすとよいと思います。 鼻水は、体を守る反応です。体が正常に働いているほど、鼻水がしっかり出ます。体の働きを正常にすることや働きを高めることは、鍼灸治療がもっとも得意としている分野です。
特に小さいお子さんは、体の外へ異物を出す働きが未発達です。 |
痛みの悪循環について 痛みがなかなか治らずに、長引いてしまった経験はありませんか。痛みが起きた場合に、寝て治ればそれほど良いことはありません。しかし、痛みは慢性化する性質があります。例えば、捻挫や打ち身による痛みが、数か月たっても治まらないということもあります。痛みが慢性化する過程を、「痛みの悪循環」と呼んでいます。今回は、「痛みの悪循環」についてご紹介します。 「痛みの悪循環」は、3段階からなります。はじめに、痛みを精神的ストレスとして認識することから起こります。多くの方が、痛みを精神的ストレスに感じると思います。痛みを感じ、「いやだなぁ」「つらいなぁ」と思った時から、「痛みの悪循環」が始まります。次に、血液の流れが悪くなります。以前、「痛みについて2 痛みとストレス」に書きましたが、精神的ストレスを受けると血流が悪くなります。最後に、痛みを起こす物質がたまります。血流が良い時、痛みを起こす物質は、血液に乗って常に動き回っています。血管内を、きれいな川が流れているような状態です。しかし、血流が悪くなるとその物質は一か所に固まってしまいます。川の一部分に、ゴミや工場排水などがたまっているような状態です。この3段階は、繰り返し増強してしまいます。つまり、痛みを感じる→精神的ストレスによる血流低下→痛み物質の蓄積→更なる痛み→更なるストレス→・・・という悪循環になってしまいます。 「痛みの悪循環」を解消するためには、痛みを止めることが重要です。最も効果的な方法の一つとして、鍼灸治療が挙げられます。鍼灸治療は、慢性化した痛みに対して、非常に効果的だという研究結果があります。痛みがなかなか治らずにお悩みの方は、是非鍼灸治療を受けていただきたいと思います。また、痛みは慢性化させないことが重要です。「痛みの悪循環」を起こさないように、痛みを感じ始めたらすぐに鍼灸治療を受けることをお勧め致します。 |