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院長ブログ

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2026年1月29日(木)に新潟県上越市名立区にある艾(もぐさ)製造会社の佐藤竹衛門商店へ行き佐藤社長と灸治療に使用する艾(もぐさ)に関する意見交換をして来ました

清野メディカルヨーガ教室は、第5木曜日は自主練習の日になっています。ヨーガ教室がお休みの機会を利用して、新潟県上越市名立区にある艾(もぐさ)製造会社へ行ってきました。

艾(もぐさ)製造会社の名前は、「佐藤竹衛門商店」です。「佐藤竹衛門商店」明治29年(1896年)創業です。今年で創業130年になります。

私の左隣にいる人が佐藤喜昭会長です。佐藤前社長は4代目です。その左隣は、佐藤育太社長です。佐藤会長の息子さんで、5代目になります。

私が、「佐藤竹衛門商店」を訪問するのは4度目です。初めて訪問したのは2000年2月28日(月)です。25年以上前の話ですが、鍼灸師として個人的に訪れたのは私が初めてということでした。以来、佐藤会長とお付き合いをさせて戴いております。今回は、跡を継いだ佐藤社長と面談するために伺いました。佐藤社長とは、電話で何度も話をしていますが、会って話をするのは初めてです。

名立は、以前名立町でしたが、今は上越市名立区になっています。「佐藤竹衛門商店」事務所の目の前は、「名立」駅です。

以前はJR西日本でしたが、今は、えちごトキめき鉄道(日本海ひすいライン)になっています。過去3回は車で行っておりましたが、北陸新幹線が開通したので、4度目にして、初めて鉄道を利用しました。

4時半に起床し、調布駅を5時8分の電車で出発して9時28分に名立駅に到着しました。事務所を訪れたのは9時半頃です。約4時間半の移動でしたが、東京駅から当院スタッフと一緒でしたので、話をしているうちに、あっという間に着きました。過去3度と異なり電車の旅が初めてで新鮮だったということもあります。毎回、艾はどのような環境で作られているのかを知って欲しいと思い、スタッフに同行してもらっています。今回は、梶原力先生や研修生たちと行きました。

艾(もぐさ)の製造は、当初自家用に各戸毎で製造していました。大量に生産するようになったのは江戸時代初期からです。1636年(寛永13年)に岐阜県の春日で記録文書が残っています。その頃は、主に伊吹山(滋賀県と岐阜県の県境を南北に走る伊吹山地)の蓬(よもぎ)で作られていました。その後、滋賀県や富山県が主流の産地になります。江戸時代後期になり、新潟県名立市地方に北上して、この地域が主たる生産地として活況します。それ以降、日本国内では、新潟県より北方に工場が出来ていません。

その理由は、蓬(よもぎ)の葉にあるようです。

艾(もぐさ)は、蓬(よもぎ)の葉の裏にある繊毛(せんもう)を集めたものです。艾製造に使用する蓬の品種は、大きく分けて2種類あります。ざっくりいうと、大きな葉と小さな葉から出来る蓬の2種類です。小さな葉の裏には繊毛がたくさん生えています。大きな葉には小さい葉ほど繊毛がありません。上越市名立区周辺の蓬は、葉が大きくて、繊毛は小さい葉ほどあるということです。そのため、生産量が多く見込めます。また、最上級の艾に適していることも、上越地方に艾工場が増えた要因でした。

戦前に上越地方で30か所あまりあった艾(もぐさ)工場は、26年前には3か所に減少していました。今年になり、近隣にあるJAの工場が生産しないことになったとのことです。これで、国内では、艾の製造をしている工場は、3か所です。

艾生産の老舗であり、伊吹山滋賀県側の麓(ふもと)にある明治28年(1895年)創業の「山正(やましょう)」さんは、現在温灸用の艾以外製造していませんので、手で捻る「点灸(てんきゅう)用」艾を製造しているのは2か所です。もう1か所の工場は、生産量がさほどありませんので、国内における「点灸用」艾の製造は、「佐藤竹衛門商店」が大半を占めています。

佐藤社長と最近の艾(もぐさ)製造に関する情報交換をしてまいりました。艾製造に関する世界情勢についても、刻々と変化していることが良くわかりました。佐藤社長は非常に広い視野をお持ちです。新しい製品作りにも意欲的でした。

近年、蓬(よもぎ)の収集が困難になっています。佐藤会長の頃から将来を見越した取り組みが行われています。1970年代頃から、中国や韓国の蓬(よもぎ)を使った艾(もぐさ)を作っていますが、点灸(てんきゅう)用として製造するのは難しいようです。

2年前から、ネパールなどの蓬(よもぎ)を使って、国産品と同等の艾(もぐさ)が作れないか試作を重ねています。艾を手にした瞬間、どのような病態に有効か、すぐわかりました。「佐藤竹衛門商店」では、国産の蓬(よもぎ)で9種類の艾(もぐさ)を製造しています。その9種類を駆使して使っても、どうしても艾の熱を早く的確に伝えることが出来ない病態があります。ネパール産の艾は、その隙間となっている病態を治療するのにふさわしい艾だと感じました。

新しく作られたネパール産の艾(もぐさ)2種類を持ち帰りました。臨床例を重ねて、佐藤社長と再び会談する機会を持ちたいと思っています。灸治療の可能性がさらに広がりそうです。

佐藤会長、佐藤会長婦人らを交え、4時間ほど会談しました。とても有意義な訪問でした。

艾(もぐさ)の製造方法にご興味がおありの人は、清野鍼灸整骨院ホームページ内にある「東洋医学の辞書サイト」をご覧ください。

 「清野鍼灸整骨院ホームページ」⇒「東洋医学の辞書サイト」⇒「お灸のはなし」⇒「3.日本の艾工場」

2000年(平成12年)2月28日(月)にスタッフ全員で艾工場を見学し、ホームページで製造工程を紹介しました。その際、佐藤社長(現会長)から、艾の生産量が低下していることを伺いました。最盛期は24時間体制で生産していたそうです。現在は、10分の一迄低下しています。
 灸治療をしない鍼灸師が増えていることも一因として挙げられると思い、日本の灸技術を支える上越地方の艾工場を存続して戴きたいという意味合いも考慮して、多くの鍼灸師にその窮状を訴えてきました。しかしながら、10年後に新しく入ったスタッフを連れて工場見学に訪れた時も、誰一人工場見学に来ていませんでした。再び、艾の製造に興味を持つように、いろいろなところで講演会や会合を持つ度に、艾製造に関する話をするように心がけました。2012年(平成24年)に伺った時、ようやく1校の専門学校が見学に訪れたと聞き、ホッとしたのを覚えています。
 近年は、いくつもの学校が見学に来ているとのことでした。多い時は、マイクロバスで来るそうです。個人単位でも年に2~3グループが見学に来るようになったとのことです。工場を見学した人が、一人でも多くの人にこのことを伝え、灸治療が存続できるように尽力して戴くことを願っています。
 尚、今年は都合により見学者の受け入れは行っていないそうです。

2026年(令和8年)1月30日(金)
 東京・調布 清野鍼灸整骨院
  院長 清野充典 記

清野鍼灸整骨院は 1946年(昭和21年)10月5日(土)に瘀血吸圧治療法を主体とした治療院「清野治療所」として創業しました 現在80年目です 清野鍼灸整骨院は「瘀血吸圧治療法」を専門に治療できる全国で数少ない医療機関です
※2026年2月2日(月)に東京・調布開設40年目を迎えます

[ 2026.01.30 ]