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院長ブログ

朝日新聞デジタルJIJICOコラム

免疫力アップに必要な体温維持。ウィルス対策に最適な室温維持と暖房機器の使い方、運動など(2020-03-20掲載 JIJICOコラム8)

 マイベストプロ‐JIJICOコラム集を作成します 清野考案の用語(新設語)を紹介します

免疫力アップに必要な体温維持。ウィルス対策に最適な室温維持と暖房機器の使い方、運動など

免疫力アップに重要な体温と肝臓の関係

私たちの生きる世界は、暑い、寒い、風が強い、雨が降る、湿度が高い、乾燥しているなど、さまざまな状態にあります。そして、人は自然環境に適応するための努力をしています。

私たち人間は、体温の維持一つをとっても、体内では激しい生命活動を繰り返しています。体温維持に主な役割を果たしているのが、肝臓です。
そのため、寒いところに長時間身を置く、薄着をして生活する、冷たい物を飲食することは、肝臓の疲労を助長します。また、日常生活の中で意外に見落としやすいのは室温です。15℃以下の部屋で生活をして体調を崩している人が少なくありません。体温維持が困難になると、風邪をひきやすくなります。免疫力低下につながり、ウイルスや細菌の感染をおこしやすくなります。

免疫力アップに効果的な体温維持に必要な室温はリラックスして過ごす時は26~28℃が理想

私たちの体温は、36.5℃から37℃が理想です。36℃以下の人は病気を引き起こしやすく、35℃以下だとどのような病気になってもおかしくない状態と言えます。室温と体温が同じ温度であれば、体温維持をするための体力を使わないで済みます。しかしながら、人は活動すると熱を生み出しますので、体温が上昇します。

体温と気温が同じだと、体内で生命活動をしているため、体温が気温を上回り、暑いと感じます。リラックスして過ごすときは、薄着でゆったりとした服装が理想的です。その際の室温は、26℃から28℃くらいが適当ではないかと考えます。

食事をするときは、食べることによって熱量が発生しますので、21℃から25℃くらいが快適だと思われます。掃除や洗濯など家事労働をしているときは、薄着でも体温が上昇します。そのため、18℃から21℃くらいが適温だと考えます。外出するような服装や背広を着て仕事するときの室温は一概に言えませんが、室温管理は、健康維持のポイントと言えるでしょう。

体に直接触れる暖房器具は使い方に注意

日本は、夏の時期以外でも温暖です。春や秋は、暖房器具を使用しないで過ごすことは可能ですが、気温が低い日や日当たりの悪い所は室温が低くなっています。
それゆえ、冬期以外でも室温に注意を払う必要があります。部屋を暖める方法はたくさんありますが、温度を一定に保つ器具に長時間にわたり接することがないよう注意が必要です。

床暖房、ホットカーペット、電気毛布などは、暖を取るとき直接肌に触れますので、一時的に冷えたからだを温める方法としては有効です。エアコンやストーブなどで室温が上昇するまでの間は効果的ですが、室温が一定温度に上昇し体温が上がった後も、上記のような器具が体に触れていると、今度は放熱のために汗をかくなど体熱が外に出やすくなります。外気温は体温より低いので、暖房器具から離れると冷気が体内に入り込み、結果的に体温は低下します。

こたつ、湯たんぽやカイロのような類いも同じです。常用すると、結果的に体力を消耗して、風邪をひきやすくなります。体を温めようと思った行為が、逆に体を冷やす要因になっていることに気づいていない人が少なくありません。体温が下がると免疫力が下がり、上気道炎(かぜ症候群)などになってしまうほか、低体温化も原因の一つと言われる花粉症を引き起こしたりしてしまいます。

低体温化は、免疫機能の低下を招くと考えられています。人間の免疫細胞は、36.5〜37℃前後の体温で最も活発に働くとされており、体温が下がるとその活動が鈍くなります。このような免疫力の低下により、上気道炎(かぜ症候群)にかかりやすくなります。また、アレルギー反応を適切に制御する能力にも影響を及ぼします。例えば花粉症のような、本来無害であるアレルゲンに対して過敏に免疫系が過剰に反応するアレルギー疾患を悪化させる可能性があります。❶

体温維持には適度な運動をすることも大切

エアコンにより暖房している部屋で過ごしている児童は、暖房をしていない部屋で生活している児童に比べ、風邪をひきにくいと言うデータが出ています。「子供は風の子」と言いますが、室内でゆっくりするときは、暖かい部屋で過ごすことが大切であることを示しています。とは言え、体温を維持するためには運動をすることも有効です。内臓が体熱を生み出し、血液が均等に流れることで体温は維持されていますが、筋肉が収縮することによる熱の発生も、体温維持にはとても重要です。
 どこかへ出かけなくてもできる運動はたくさんありますが、その中でもヨガ(YOGA)はおすすめできる運動方法のひとつです。

運動をして汗をかくことは体温を維持するために大切です。体が冷たい、体温が低いと感じている場合は、自宅でもできるヨガ(YOGA)や体操などを始めてみてはいかがでしょう。

[参考文献]
❶Physiology, Temperature Regulation, National Library of Medicine
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK507838/

〈養正治療篇〉(冬)
このコラムは〈養正治療篇〉(冬)のコラムです。冬は、寒い季節ですので、腎臓の負担となる「外因」が大きくなる季節です。冬は整体力(病体を健康体へ押し戻す力)最も低下する季節です。死亡率が高い時期でもあります。養正治療編の冬は、腎臓の病に関するコラムです。

[筆者コメント]
 このコメントは、暖房器具の使い方を適切に行わないと腎臓機能が低下するということを書いています。また、体温維持の働きを担う肝臓の機能も低下します。肝臓、腎臓は体の要です。体を意味する「月(にくづき)」に「要(かなめ)」を付けると「腰」になります。「肝腎要(かんじんかなめ)」という言葉があるように、寒くなり始める11月は、腰痛を発症しやすい時期でもあります。このコラムを通じて、体温維持のために運動を行い、整体力の維持に努めて戴きたく思います。

[養正治療と鍼灸治療]
東洋医学には、「春は肝臓、夏は心臓、秋は肺臓、冬は腎臓、季節の変わり目は脾臓の調子が悪くなる」という考えがあります。病気の原因は、個人の生活が生み出す「内因」と環境が影響する「外因」による」と不適切な日常生活による「不内外因」があると考えます。春夏秋冬の病は、「外因・認識力低下」、「内因・整体力の低下」や「不内外因・不適切な日常生活」が関係するという考えです。
東洋医学では、外因、内因、不内外因という病因を下記のように分類します。
 外因     風・寒・暑・湿・燥・火
 内因     喜・怒・憂・思・悲・恐・驚
 不内外因   不適切な日常生活
暖房器具を常時体に当てる使い方は、不内外因・不適切な日常生活の一つと言えます。
外因、内因、不内外因がもたらす病気に、「鍼灸治療」は有効です。血液巡行や体液代謝の機能低下を伴うときは、「瘀血治療」が最適です。病気をもたらす日常生活の改善方法や運動方法の指導を「養正治療」と言います。このコラムは、養正治療の一つです。

2025(令和7)年11月19日(水)に小学館から発売された『知らないうちに寿命を縮める危ない生活習慣24』(清野充典著・小学館)



の内容は、JIJICOに掲載された1~70本目のコラムを24に再編集した内容です。この本のために書いたコラムもあります。清野が提唱する「養正治療」の内容が満載です。ぜひご覧戴き、東洋医学に基づく養生法を実践戴きたく思います。

清野充典 JIJICOコラム集

令和8年(2026年)3月11日(水)
 東京・調布 清野鍼灸整骨院
  院長 清野充典 記

[ 2026.03.11 ]