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院長ブログ

当院の治療(鍼灸院)

小児ばり 第2話 1.流行性耳下腺炎・顎下腺炎

流行性耳下腺炎・顎下腺炎は、子供の頃によくかかる病気です。「おたふくかぜ」といったほうが誰でもわかるのではないでしょうか?

おたふくかぜは、耳の下にある唾液を出す場所(腺)・耳下腺に、ウイルスが入り込みそこが大きく腫れる様がおたふくさんに似ているためにつけられた俗称です。唾液を出す場所(腺)は他に顎の下の顎下腺、舌の下に舌下腺がありますが、人によっては顎下腺が腫れます。最初に顎下腺が腫れるとおたふくかぜに見えないこともありますので注意が必要です。

おたふくかぜは16日から18日の潜伏期間の後に発病します。
ただし、ウイルスに感染しても30~40%は何の症状も示さず抗体ができて終わることもある感染力の弱い感染症ですから怖がることはありません。

具体的な症状は、
(1)耳下腺・顎下腺が腫れる。
(2)腫れた部分が痛む。
(3)熱が出る。
(4)お腹が痛くなる。
などです。
 
 3~7日で腫れがひきます。両側の耳下腺が腫れる人は片側が腫れ数日後にもう一方が腫れてきますので、腫れがひくのに10日ぐらいかかることもあります。片側だけ腫れる人が約25%で、両側が腫れる人が約75%です。

体力が低下していると無菌性髄膜炎になることがあります。耳下腺が腫れた1~5日目のあいだに高熱・頭痛・嘔吐などが起こります。重症の場合は意識がはっきりしなくなったり、けいれんを起こしたりしますが、そんなにひどくなるのはとてもまれです。熱が39度を超えた状態が続くとまれに難聴や脳波異常などの後遺症を残すことがあります。

治療についてですが、おたふくかぜウイルスに効果的な薬はありません。西洋医学の処置法として、耳下腺が長期間にわたり腫れていると壊死することがありますので抗炎症剤の服用を勧める医師がおります。また、無菌性髄膜炎を合併を考慮し抗菌剤の服用を勧める医師もいます。基本的には安静を保ち腫れがひくのを待ちます。

体力がある場合は上記日数程度で緩解しますが、基礎体力が低下していると耳下腺の腫れがひくのに1週間以上要したり、体熱の上昇がつづきます。両側が腫れると2週間以上苦しい思いをすることになります。こんなときは鍼灸治療を受けてみてください。腫れが早くひき体温の上昇を防ぐお手伝いができます。

個人的な見解ですが、体温が37度台の時は体力が勝っていますが、38度を越える時は病気に押されてきているといえます。鍼灸治療を是非検討してみてください。通院が可能な体力があるときに治療を開始することが肝要です。治療対象年齢は生後3週間を経過していたら大丈夫です。理想的なのは、耳下腺に痛みやわずかな腫れを感じたときにすぐに鍼灸治療を開始する事です。基礎体力の状況によっては熱の上昇や耳下腺がはれ上がることを防ぐお手伝いができます。

おたふくかぜは、 気がつかないうちに抗体ができている人が多いのですが、10歳を過ぎて思春期・成人期にまれに発病する人がいます。基本的に体力が低下しているときが多く、症状が悪化すると特に男性は大変です。20~30%の人が睾丸炎を起こすからです。睾丸炎になると睾丸は腫れあがります。2個腫れることは少ないのですが、1個でもとても痛くつらい症状です。睾丸炎はおたふくかぜ発症後1週間以内に起こるのが通 常ですが、時には3週間以上経過してから発症することもあります。また、睾丸炎のほか発熱・寒気・嘔吐などの症状を伴います。まれに後遺症として男性不妊や勃起障害になることがありますので安静を保つだけで症状が消えることを期待するのは得策ではありません。人によっては、膵臓炎を合併することがあります。成人してからおたふくかぜが発症した人や男性はすぐに鍼灸治療をすることを考えてみてください。

西洋医学と東洋医学を患者さんの状態によってうまく使い分ける医療・統合医療がいま世界では主流です。 医療法により西洋医学の医療機関内で東洋医学の医療を受けられない今の日本は世界から取り残されていますが、一人一人が高い見識を持つことで今の状況を解消できるはずです。東洋医学を有効にご活用ください。

小児ばり 連載開始 はじめに
 「小児ばり 第2話 1.流行性耳下腺炎・顎下腺炎
 「小児ばり 第3話 2.アトピー性皮膚炎

※清野鍼灸整骨院旧ホームページ「東洋医学の辞書サイト」内にある「小児ばり」の内容を転載しています。

[ 2020.12.18 ]