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院長ブログ

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くらしと養生 第15話 2)睡眠からくる不養生(5)睡眠と冷房

※「くらしと養生」は、清野鍼灸整骨院の旧サイトである「東洋医学の辞書サイト」に掲載されています。旧サイトには、写真入りで詳細にわかりやすく書いています。新サイトでは、本文を一部修正した文字のみの紹介になります。良かったら、旧サイト「東洋医学の辞書サイト」をご覧いただきたく思います。

第15話 2)睡眠からくる不養生(5)睡眠と冷房

最近は違いますが、中国では冷房施設が整っていない頃、手術室に大きな氷を四方において部屋を冷やしていました。1985年に上海で鍼麻酔の手術をしていた時もそうですから、日本の皆さんは驚きのことでしょう。 

扇風機が出現した頃、一晩中付けたまま寝ると涼しいというので、身体に冷たい風を当てっぱなしの人が多かったようです。発売当初、扇風機に当たりっぱなしの方が、急速に体温低下を起こし、数名心臓発作で死に至りました。その後、首振りができる扇風機が登場します。

体温を下げる事の恐ろしさは知らされたはずでしたが、次に出てきたエアコンの売り出し文句は、「一晩中つけても、心臓発作で亡くなることはありません。」です。そのうたい文句通り、エアコンを付けたことが原因で亡くなったという話は聞きません。しかし、いつも一定の室温の中にいることは(エアコンを付けて寝ることは)、身体の機能を狂わせます。

冷房の中で寝ていると、下記の状態になる印象を持っています
1.いつも冷たい空気を吸い続けることになるので、肺が冷やされ、風邪を引きやすくなる。すでに風邪を引いている人、気管支炎や喘息などの病を持っている人は、肺炎になりやすい。
2.身体を体温(36度台)より低い状態の環境に置いているため、寝ている間中、体温を一定に保つための労力を身体に強いる。体温調節をしている肝臓に負担を掛けるため、前日の疲れが取れにくい。
3.布団を掛けず、薄着をして寝ていると、足元から冷えはじめ、腎臓の働きが落ちる。そのため、消化能力が落ち、夜食べた物が朝消化しきれず、胃がもたれた感じになり食欲がでない。ふくらはぎがつりやすくなる。

特に妊婦の方は要注意です。食欲の低下を補うため、冷たい物を食べたり、飲んだりしたくなり、結果的に冷えてだるさをます。1~3のような状態になりやすいと言えます。また、それ以外にも、様々な不快症状を沢山持つようになります。

しかしながら、東京や大都市の住環境は、理想的なそれとはかけ離れている場合が多く、エアコンを付けて寝ないとどうしようもない場合が多いようです。どうしてもエアコンを付けて寝ないといけない環境にさらされている人は、設定する温度を注意しなければいけないと思います。

個人的意見ですが、室温設定が
1. 26度以上の人は、身体が冷えていて日中だるさを感じながら生活している
2. 23度~25度の人は、身体に痛みや不調を感じやすくなる。
3. 20度~22度の人は、どこかに不調を持ちながら、我慢して生活している。
4. 19度以下の人は、西洋医学的病名診断を付けられやすい状態になる。
ように思います。
 臨床経験上、クーラーを28度~31度で利用している人はあまり体調に変化を感じないようですが、26度~27度に設定して1か月以上就寝時に一晩中利用している人は、気温が下がってくると体調不良を覚えるようになります。24度~25度に設定している人は、腰痛や寝違えなど各関節に痛みを感じる人が多いようです。23度以下に設定している人は内臓の異常を訴えるようになる印象です。

室温は外気温と比較して、2度低いぐらいが理想的です。30度を過ぎたら暑くてなかなか寝ていられないと思いますが、25度~26度位の外気温の時は、エアコンをつけない位の気持ちでいた方が良いように思います。
28度~30度位の温度設定は、クーラーを付け慣れている人には難しいんでしょうね。個人的には、扇風機を上に向けて回すと、対流が起きて部屋全体が涼しくなると思っています。1時間位タイマーをかけて寝てみてはいかがでしょうか。

ご興味がありましたら、下記の2020年朝日新聞デジタルJIJICO掲載の冷房に関するコラムをご参照ください。
 「低体温の人は暑がり?クーラーの中で生活する本当の怖さとは?
 「就寝中のクーラーは体調不良を引き起こす?体温低下が招く危険性とは

睡眠の時間帯は、22時半から6時半が理想的と考えられています。この間7時間半くらい睡眠中で、寝入るまで15分、目覚めてから起き上がるまで15分程度横たわっていると疲れが取れると考えられます。睡眠の時間数が足りていても、寝ている時間帯によっては、睡眠の質が低下します。病気の背景を探るためには、個別に様々な条件を検討する必要があります。当院では、「養正治療(ようせいちりょう)」の一環として、来院時に、適切な睡眠方法の指導を行っています。

※「養正治療(ようせいちりょう)」とは、日常生活に起因する病気の原因を患者様と主に考え、ヨーガ治療や生活指導を用いて、健康を取り戻そうという治療のことです。従来日本で行われてきた養生法に、中国やインド等で行われている養生法を加味した新しい学問分野として、清野が提唱しています。生活指導の内容を、今ブログで紹介します。

くらしと養生 第1話 養生と東洋医学(暮らしと養生に関して)
 「くらしと養生 第2話 1)入浴からくる不養生(1)はじめに
 「くらしと養生 第11話 2)睡眠からくる不養生(1)はじめに
 「くらしと養生 第12話 2)睡眠からくる不養生(2)睡眠の時間数
 「くらしと養生 第13話 2)睡眠からくる不養生(3)睡眠の時間帯
 「くらしと養生 第14話 2)睡眠からくる不養生(4)睡眠と体温
 「くらしと養生 第15話 2)睡眠からくる不養生(5)睡眠と冷房
 「くらしと養生 第16話 2)睡眠からくる不養生(6)睡眠と暖房
 「くらしと養生 第17話 2)睡眠からくる不養生(7)睡眠と寝具との関係
 「くらしと養生 第18話 2)睡眠からくる不養生(8)睡眠する場所(方位 =寝室の位置する方向)
 「くらしと養生 第19話 2)睡眠からくる不養生(9)畳とフローリング

ご興味がありましたら、下記の2020年朝日新聞デジタルJIJICO掲載の睡眠の時間数に関するコラムをご参照ください。
 「細菌やウイルスから身を守る免疫力を高める方法とは?
下記は2020年朝日新聞デジタルJIJICO掲載の暖房に関するコラムです。
 「免疫力アップに必要な体温維持。ウィルス対策に最適な室温維持と暖房機器の使い方、運動など
下記は2020年朝日新聞デジタルJIJICO掲載の冷房に関するコラムです。
 「低体温の人は暑がり?クーラーの中で生活する本当の怖さとは?
 「就寝中のクーラーは体調不良を引き起こす?体温低下が招く危険性とは
 
東京・調布 清野鍼灸整骨院 
  院長 清野充典

清野鍼灸整骨院は1946年(昭和21年)創業
※清野鍼灸整骨院の前身である「清野治療所」は瘀血吸圧治療法を主体とした治療院として1946年(昭和21年)に開業しました。清野鍼灸整骨院は、「瘀血吸圧治療法」を専門に治療できる全国で数少ない医療機関です

[ 2021.03.02 ]