※「くらしと養生」は、清野鍼灸整骨院の旧サイトである「東洋医学の辞書サイト」に掲載されています。旧サイトには、写真入りで詳細にわかりやすく書いています。新サイトでは、本文を一部修正した文字のみの紹介になります。良かったら、旧サイト「東洋医学の辞書サイト」をご覧いただきたく思います。
第16話 2)睡眠からくる不養生(6)睡眠と暖房
人は体温から10度以上気温が低くなると寒さを感じるようになります。そこで、体温を維持するために、衣服をまとい、暖かい食物を身体の中に取り込むことをします。活動したり、思考する時は18度ぐらいが適当な温度ですが、15度を下回る気温になると暖かい物を欲します。その代表的なものが「火」です。火を熾(おこ)し建物の中でじっとしていることが、人(動物)の基本的な冬のすごし方です。しかし、現代人(動物の中で人だけ)は、いつでもどこでも活動しています。人類が生み出した暖房用具はすばらしく、寒さを防ぐための智慧を持ちえたためでしょう。
さて、生まれたときから文明品がある今の現代人に、暖房としての用途で火はうまく使いこなせているでしょうか。寒くなったとき、ズーッと火にあたっていると身体が温まるとお思いでしょうか。「夜、焚き火にあたりすぎるとおねしょをしますよ」なんて母親に言われたことはないでしょうか。
身体が冷えたとき火にあたると身体は温まりますが、身体が温まると皮膚が十分に開いているため、今度は熱が逃げていきやすくなります。気温が低い時は冷えを受けやすくなります。
また、火にあたっていない面は温度差が出ますので、いつもどこかが寒く感じます。まるで魚を焼いているときのように、前を見たり背中を向けたりするわけです。長時間火にあたるほど、身体が疲労します。そういうとき冷えを強く受けると、子供はおねしょをします。大人は睡眠中トイレへ行きたくなり、眼ざめることがあります。火にあたり続けるということは、肉体は疲労させ、結果的に身体が冷えることにつながりかねません。人は持続的に熱を受け続けると、身体の機能が熱を作ることを不必要と感じ、熱の産生を止めてしまうのです。
特に、電気あんか、電気かけ毛布、電気敷き毛布、電気カーペット等、肌に直接触れ、温度がほとんど可変しない物は要注意です。寝ている間に体温が奪われ、使用している人はみな風邪を引きやすくなります。電気・ガス・石油ストーブ等は温度調整が可能ですが、最近主流のエアコンは別な問題があります。温風だけですと室内が乾燥し、呼吸器を弱め風邪を引きやすくするということです。以前はストーブの上にヤカンや鍋をかけ蒸気を出していましたが、住宅環境の問題もあり、都会ではほとんど行われていないのではないでしょうか。エアコンをつけたままで睡眠をとることはもっと危険です。喘息発作や肺炎を起こす危険性が高くなります。よほどの寒冷地で無い限り、つけっぱなしでは寝ないほうが良いでしょう。
韓国のオンドルに見られるように、温水や温風による床暖房は部屋全体をやさしく暖めるので理想的ですが、直接床に座ったり寝るのは病気になりやすい身体を作ります。座布団を利用して座るとか、いす・ベッド等の使用を考慮すべきでしょう。夜どうしても寒くて眠れない人は、湯たんぽをお使いになると良いと思います。お蒲団に入る30分前に、腰の部分と足元に2つおいておきます。お蒲団に入るとき取り除けば、中はぽっかぽか。気持ちよく眠れることと思います。冷えが強く、足がものすごく冷える人は、足元の湯たんぽを50cmほど離しておいておくと良いでしょう。湯たんぽは、夜、気温の低下とともに温度が低下していきます。体温が奪われることが無く、理想的な暖房用具といえます。ただし、ちょっと手間なのが玉に傷。面倒でつい電気製品に手を伸ばしがちな方が多いと思います。最近は、電子レンジですぐ温まる湯たんぽが開発されました。経済的に余裕のある方は、そちらを利用されてはいかがでしょうか。
ご興味がありましたら、下記の2020年朝日新聞デジタルJIJICO掲載の暖房に関するコラムをご参照ください。
「免疫力アップに必要な体温維持。ウィルス対策に最適な室温維持と暖房機器の使い方、運動など」
下記は2020年朝日新聞デジタルJIJICO掲載の冷房に関するコラムです。
「低体温の人は暑がり?クーラーの中で生活する本当の怖さとは?」
「就寝中のクーラーは体調不良を引き起こす?体温低下が招く危険性とは」
睡眠の時間帯は、22時半から6時半が理想的と考えられています。この間7時間半くらい睡眠中で、寝入るまで15分、目覚めてから起き上がるまで15分程度横たわっていると疲れが取れると考えられます。睡眠の時間数が足りていても、寝ている時間帯によっては、睡眠の質が低下します。病気の背景を探るためには、個別に様々な条件を検討する必要があります。当院では、「養正治療(ようせいちりょう)」の一環として、来院時に、適切な睡眠方法の指導を行っています。
※「養正治療(ようせいちりょう)」とは、日常生活に起因する病気の原因を患者様と主に考え、ヨーガ治療や生活指導を用いて、健康を取り戻そうという治療のことです。従来日本で行われてきた養生法に、中国やインド等で行われている養生法を加味した新しい学問分野として、清野が提唱しています。生活指導の内容を、今ブログで紹介します。
「くらしと養生 第1話 養生と東洋医学(暮らしと養生に関して)」
「くらしと養生 第2話 1)入浴からくる不養生(1)はじめに」
「くらしと養生 第11話 2)睡眠からくる不養生(1)はじめに」
「くらしと養生 第12話 2)睡眠からくる不養生(2)睡眠の時間数」
「くらしと養生 第13話 2)睡眠からくる不養生(3)睡眠の時間帯」
「くらしと養生 第14話 2)睡眠からくる不養生(4)睡眠と体温」
「くらしと養生 第15話 2)睡眠からくる不養生(5)睡眠と冷房」
「くらしと養生 第16話 2)睡眠からくる不養生(6)睡眠と暖房」
「くらしと養生 第17話 2)睡眠からくる不養生(7)睡眠と寝具との関係」
「くらしと養生 第18話 2)睡眠からくる不養生(8)睡眠する場所(方位 =寝室の位置する方向)」
「くらしと養生 第19話 2)睡眠からくる不養生(9)畳とフローリング
ご興味がありましたら、下記の2020年朝日新聞デジタルJIJICO掲載の睡眠の時間数に関するコラムをご参照ください。
「細菌やウイルスから身を守る免疫力を高める方法とは?」
下記は2020年朝日新聞デジタルJIJICO掲載の暖房に関するコラムです。
「免疫力アップに必要な体温維持。ウィルス対策に最適な室温維持と暖房機器の使い方、運動など」
下記は2020年朝日新聞デジタルJIJICO掲載の冷房に関するコラムです。
「低体温の人は暑がり?クーラーの中で生活する本当の怖さとは?」
「就寝中のクーラーは体調不良を引き起こす?体温低下が招く危険性とは」
東京・調布 清野鍼灸整骨院
院長 清野充典
清野鍼灸整骨院は1946年(昭和21年)創業
※清野鍼灸整骨院の前身である「清野治療所」は瘀血吸圧治療法を主体とした治療院として1946年(昭和21年)に開業しました。清野鍼灸整骨院は、「瘀血吸圧治療法」を専門に治療できる全国で数少ない医療機関です
[ 2021.03.03 ]
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