くらしと養生　第35話　4）食事からくる不養生（3）食事と呼吸の関係

院長ブログ: くらしと養生　第35話　4）食事からくる不養生（3）食事と呼吸の関係

※「くらしと養生」は、清野鍼灸整骨院の旧サイトである「東洋医学の辞書サイト」に掲載されています。旧サイトには、写真入りで詳細にわかりやすく書いています。新サイトでは、本文を一部修正した文字のみの紹介になります。良かったら、旧サイト「東洋医学の辞書サイト」をご覧いただきたく思います。

第35話　4）食事からくる不養生（3）食事と呼吸の関係

「運動からくる不養生」において、「運動と呼吸」について書きました。呼吸は、「こころとからだをつなぐ」ことに役立ちます。「（2）食事の意味」において、「食事とは、こころとからだのバランスを取り、健康を維持するために行っている行為」であると書きましたが、そのために最も必要な行為が呼吸だと言えます。

息を止めてむさぼるように食事をすると、お腹は満腹状態になり食欲は満たされますが、しばらく経つと、お腹が苦しくて動けない状態になる経験をお持ちの方は少なくないと思います。「欲」が前面に立つと、物質面だけを追い求めてこころが置き去りになります。

呼吸に気を付けながら、一口一口ゆっくり噛んで食べると、味わいが良いだけでなく、消化が追いつき血糖値が上昇していることを体のいたるところへ指令を送る機能が働き、ちょうどよいところで食事を終えることが出来ます。日本の食事スタイルは、こころとからだのバランスを取るためにとても適した食事方法だと考えます。

食事をする際、「いただきます」という事によって、精神の集中を図り感謝のこころを持つだけでなく、息を吐くことによって欲をコントロールすることに繋がります。呼吸に気を付けていると、噛むことにも集中できます。作法に囚われた食事方法も少なくありませんが、呼吸に気を付けるとこころ穏やかに食事を進めることが可能に成ります。「ごちそうさまでした」と言うことにより、息を吐くことからこころの安定を図ることが出来、食後の行動に思いを寄せることが出来ます。

食事と呼吸は切っても切れない関係です。呼吸と身体の動きを一体化することが出来れば、いつも心穏やかに生活することが可能となります。

病気の背景を探るためには、個別に様々な条件を検討する必要があります。当院では、「養正治療（ようせいちりょう）」の一環として、来院時に、適切な生活指導を行っています。適切な食事の摂取が行えているのかを知りたい方は、是非ご相談ください。

※「養正治療（ようせいちりょう）」とは、日常生活に起因する病気の原因を患者様と主に考え、ヨーガ治療や生活指導を行い、健康を取り戻そうという治療のことです。従来日本で行われてきた養生法に、中国やインド等で行われている養生法を加味した新しい学問分野として、清野が提唱しています。生活指導の内容を、今ブログで紹介します。